よしもとばななの「キッチン」を紹介します。この物語は、台所が好きな場所とする桜井みかげと言う女の子が、あまり良く知らない田辺雄一と言う男性のいる田辺家と一緒に暮らす様になると言うお話です。今までみかげを育ててくれた祖母が他界し、独りぼっちになったので、家を出て、住む部屋を探さなくてはいけなくなりました。田辺雄一と言う男性は、祖母の行きつけの花屋でアルバイトをしていると言う人でした。そしてみかげは、雄一の誘いで田辺家のマンションで、彼らと一緒に暮らすことになったのです。
雄一にはお母さんがいました。本当はお父さんなのですが、実の母親は病気で死んでしまい、その為女になることを決めて、顔等を手術をして女になり、母親として雄一を育てたのでした。そんなお母さんと雄一と一緒に田辺家での、みかげの暮らしが始まりました。
人は家族を失い孤独になるのですが、その孤独と付き合うと言うことは、何気ない日常を丁寧に生きることで成長すると言うことなのかとこの物語について思いました。何気ない台所での風景や、食卓での会話、そういった事に耳を傾けると、孤独から段々と立ち直ることが出来ると感じました。そんな短い本ですが、お勧めします。